ちっぽけな見せ物小屋であったが

ライオンの芸がヒトを呼び

連日大盛況でショーが行われた

いつしか他の動物たちにも受け入れられ

夜のひそひそ話に悩まされることも

ムチに怯えることもなく

ただただ毎日が過ぎていった

もうあのアフリカでの記憶さえ

遠い過去のように思えた

いいや

あの過去はもうとっくに捨てさっていたのかもしれない

「ここで生きていく」

そう決めたあの日に・・。