ある日ライオンは大きなトラックに揺られていた

トラックから降ろされた頃には

夕焼け色した空がのぞいていた

ライオンはその空をもう少しだけ見ていたかった

あの草原のニオイさえ

届いてくるように思えたから

ライオンが連れてこられたのは

小さな見せ物小屋だった

そこでライオンはたくさんの動物に出会った

しかしそこの動物たちは

今まで出会ったことない種類ばかりであった

赤い紅をひいた猿

口ばしの下に大きな蝶ネクタイをしたオウム

金色の布を背中に乗せた像

他にもたくさんいた

ライオンはその動物たちに少し違和感を感じていた