ライオンは今日も笑っていた

たくさんの仲間たちに囲まれ笑っていた

ライオンは今とても幸せだった


あのアフリカでの自分と見せ物小屋での自分

どちらが幸せなのか

どちらが不幸なのか

そんなことはわからない


今ライオンが

幸せな毎日を過ごしていることだけは確かだった

毎日与えられたエサを食べ

他の動物たちと友達になるコトができた

これはアフリカにいた頃には

考えられなかったコトだろう

光ある場所では星のように輝くコトもできた


ライオンがライオンらしく生きるということ

それはとても難しいコトでありとても簡単なコトだった

失くしたモノはライオンにとってすごく大きかった

しかし失くしたコトによって今まで見れなかった景色をみた


なにが幸せなのか

なにが不幸なのか・・。


ただ一つだけ恐れたのは

夕焼け色をした空だった。



★おしまい★